コンプレッサーは多くの産業で不可欠な機器です。安心してコンプレッサーを稼働させるためには、定期的な点検と保全が欠かせません。怠ると重大な問題や事故が発生する可能性があります。今回は点検・保全不足が原因で起きてしまう圧力異常問題について。定期点検・設備保全を行うメリットについてお伝えします。
点検・保全不足によって起きてしまう圧力異常
フィルターの詰まり
コンプレッサーの圧力異常にはさまざまな原因があります。まず、フィルターの詰まりが挙げられます。フィルターが詰まると空気の流れが阻害され、その結果、圧力が異常に上昇します。そのため、吸気フィルターと排気フィルターの両方を常に清潔な状態に保つことが重要です。
オイル不足
オイル不足も大きな問題となります。コンプレッサーの潤滑油が不足したり劣化したりすると、内部の摩擦が増え、コンプレッサーが正常に作動しなくなります。これにより過熱しやすくなり、最終的には故障につながる可能性があります。
空気の漏れ
空気の漏れも圧力異常の原因となります。コンプレッサーや配管に漏れが生じると、圧力が安定しなくなります。これによりエネルギーが無駄に消費されるだけでなく、コンプレッサーに余分な負荷がかかり、圧力を維持するために無駄な運転が増えてしまいます。
気温が及ぼす圧力異常
夏と冬の気温差も圧力異常に影響を及ぼす可能性があります。特に気温が高い夏場には、空気の密度が低下します。暑い空気をそのまま吸引し、圧縮するため、コンプレッサーが同じ圧力を維持するためにはより多くのエネルギーを消費することになります。一方、冬場には空気の密度が高くなるため、圧力が過剰に上昇する可能性があります。
適正圧力外での稼働
適切な圧力でコンプレッサーを使用していない場合、常に過度な負荷を与え、故障のリスクが高まります。また、特に過剰に圧力がかかると、安全弁が頻繁に作動することになります。これは安全弁自体の劣化につながり、安全弁の故障につながる可能性もあります。
さらに、適正圧力外での稼働は、コンプレッサーがつながっている設備・産業機械にも負担がかかってしまい、工場全体のエネルギー効率の低下、寿命への悪影響が起きてしまいます。
安全弁の役割と事故のリスク
安全弁(セーフティバルブ)は、工場や各種産業で使用されるコンプレッサー、圧縮機器には必ずあるとても重要なものです。ここではその役割と機能、そして点検や保全を怠った場合におきる可能性のある問題について詳しく説明します。
安全弁の主要な役割は圧力超過の防止です。コンプレッサーは、空気やガスを圧縮するための装置であり、その圧力が指定された安全範囲を超えることがあります。そのような緊急時に安全弁はその役割を果たします。設定された圧力を超えると自動的に開き、余分な圧力を放出することでコンプレッサーや配管の破裂を防止し、設備の安全性を確保します。
安全弁が正常に機能するためには、定期的な点検と保全が不可欠です。安全弁は過剰な圧力を逃がすための重要な部品であり、定期点検を怠るとその機能が損なわれる可能性があります。安全弁が正常に作動しなくなると、コンプレッサー内の圧力が異常に高まり、コンプレッサーの故障、大きな事故につながります。
圧力異常や安全弁の故障により、内部の圧力が限界を超えると爆発の危険性もあります。実際に、コンプレッサーの爆発事故が発生しており、これは作業者の安全を脅かすだけでなく、施設全体に大きな被害をもたらします。こうした事故を防ぐためにも、安全弁の適切な点検と保全は不可欠です。そしてこの安全弁の点検は必ず専門業者に任せましょう。点検の方法や順番を間違えると圧縮された空気が一気に放出され、怪我や事故につながってしまいます。
定期点検・設備保全の重要性
1. 定期点検・設備保全のメリット
定期点検と設備保全の目的は、安全性の向上、機器の寿命延長、信頼性の向上、そしてコスト効果の実現にあります。定期点検を行うことで、事故のリスクを大幅に減少させ、予防保全により修理費用やダウンタイムによる損失を最小限に抑えることができます。さらに、適切なメンテナンスによってコンプレッサーの寿命を延ばし、信頼性を向上させることで生産ラインの安定稼働が確保されます。これにより、長期的に見て予防保全は修理費用や生産停止による損失を大幅に削減するため、非常に効果的です。
2.点検・保全内容
定期点検と設備保全のメリットをお伝えしましたが、最も大きな目的は、工場の安定稼働と事故防止の観点においてコンプレッサーを安心して使っていただきたいということです。そのために当社では3000時間の稼働に対して1度の点検・保全を推奨しております。
点検項目
3000時間に一度の絶対にやるべき点検
・詰まりの解消
・吸引フィルター及びオイルエレメントの交換
・水抜き(ドレン抜き)
・フィルターの清掃
・ボルトやネジの緩みの確認
・安全弁の動作確認
期間は数年に一度でもよいが絶対やるべき点検
・ベルトの張力確認
・冷却ファンの汚れ
・オイルの確認
・潤滑油の交換
・圧縮時間の測定
・圧力計の動作チェック
・温度計の動作チェック
・設置状態の確認
・法令点検
宮城県内のコンプレッサー修理は当社にお任せ!
宮城工場修理メンテナンス. comを運営している丸繁では、コンプレッサーの修理、点検、保全をはじめとした工場の環境改善に関する多様な実績がございます。施工ご依頼の内容に沿って迅速に対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
Comments