1.水銀灯・蛍光灯が廃止?LED化が求められている背景
近年、照明のLED化が急速に進んでいる背景には、LED照明が多くのメリットがあるためだけではありません。水銀灯・蛍光灯が廃止され、必然的に、LEDに移行する必要があります。まず、水銀灯に使われている水銀は公害を引き起こしてしまうような人体に有害な物質です。そのため、2013年に締結された「水銀に関する水俣条約」により、規制値以上の水銀を使った製品は世界的に2020年以降に製造や輸出入が禁止されました。また、蛍光灯も同様に水銀が使われている製品であるため、2023年11月に行われた「水銀に関する水俣条約」にて段階的ではありますが、すべての一般照明用の蛍光灯の製造・輸出入が2027年末までに廃止と決定しました。即座に、現在使用している、水銀灯・蛍光灯が使用禁止というわけではありませんが、寿命を迎えたり、故障した際の新品の入手はとても難しくなりま
す。
このような背景から、水銀灯・蛍光灯をLED照明に置き換える事はとても重要です。そもそも高性能なLED照明はその省エネ性能からも注目を集めています。SDGs等様々な観点から、エネルギー効率やCO2排出削減が求められる現在、国や自治体からも工場のLED化が推進されており、補助金や助成金を活用する企業も増加しています。特に、工場のようなエネルギー消費量が大きい施設では、省エネ法の適用が求められており、これに対応するためにLED照明への切り替えは急務となっています。
2.工場のLED照明化のメリット5選
LED照明を導入することによって、以下のような数多くのメリットが得られます。特に、工場ではコスト削減や作業効率の向上が期待されます。
電力消費の削減
LED照明は蛍光灯や水銀灯に比べ、消費電力が約50%以上も削減することが可能です。特に大規模な工場では、電気料金が運営コストの大部分を占めることが多いため、LED化によるエネルギーコスト削減効果は非常に大きいです。電球の置き換えとLED化のための工事も必要となり、初期費用はかかりますが、そのコストを数年で改修できるような省エネをLEDで実現することができます。
寿命が長く、メンテナンス費用が抑えられる
LED照明は約50,000時間という長寿命を誇ります。従来の照明に比べて交換頻度が大幅に減ります。特に、工場の高天井に設置された照明は交換作業が大掛かりでコストも手間もかかるため、メンテナンス費用も削減できますし、工場の安定稼働にもつながります。
環境に優しい
LED照明は水銀やその他の有害物質を含まないため、環境にやさしい照明です。廃棄の際も環境に配慮されており、エコフレンドリーな選択肢となります。さらに、エネルギー効率が高いため、CO2排出削減にもつながります。
作業環境の改善
LED照明は、明るく均一な光を提供します。明るくなるまでに時間がかかることや、明りにちらつきが生まれることもありません。これにより、工場内での作業効率が向上し、作業者のミスを減少させる効果も期待できます。
補助金や税制優遇の活用
LED照明への切り替えは、国や地方自治体が提供する補助金や税制優遇を受けられる可能性があります。特に、省エネ法の適用を受ける工場では、省エネ対策を講じることでコスト削減だけでなく、法的な要件を満たすことが可能です。
3.LED照明の選定基準について
LED化の必要性、LED照明のメリットについてお分かりいただけたでしょうか。続いて工場でLED照明を導入する際にはどのような基準に基づいてLEDを選定すればよいのか紹介します。
工場でのLED照明選びには、いくつかの重要なポイントがあります。正しい製品を選定することにより、長期間にわたり最適な環境を維持できます。
照度(ルクス)
照度は、光源によって光が照らされた面が受ける光の明るさを示す単位で、「ルクス(lx)」で表されます。工場でのLEDの設置には作業内容に応じた適切な照度が必要です。JISの照度基準では、建物、空間の用途、作業内容等に応じた「推奨照度」が定められています。例えば、工場の製造ラインなどは500ルクスが推奨照度として決まっています。
建物、作業内容に合わせて照度のLEDを使用する必要があります。高天井用のLEDなども販売されていますので、環境の充実といった観点からも最適なLEDを設置しましょう
耐久性と防塵・防水性能
工場内は高温多湿や粉塵が多い環境の場合もあります。防塵・防水性能を持つLED照明を選ぶこと。機械的な衝撃にも耐える強度を持つ製品を選ぶこと。もしくは工事などで耐久性の高いカバーを付けることで照明を守ることも必要です。
色温度の選定
工場内での作業に応じて、適切な色温度を選定しましょう。LEDの色は一般的に「電球色」「温白色」「昼白色」「昼光色」などがあります。落ち着いた温かみのある色、すっきり白く明るい色など、場面によって使い分けることができるので、最適なものを選びましょう
配光特性
工場のレイアウトや天井の高さに応じた配光角度を選び、必要な範囲を十分にカバーできる製品を選定する必要があります。
センサーや調光システムとの連携
エネルギー効率を最大限に引き出すため、人感センサーや調光システムを組み合わせたLED照明の導入もおすすめです。作業者がいないエリアの照明を自動的に調整し、さらなる省エネを実現します。
4.施工実績
工場照明設備・LED化増設
修理・メンテナンスの状況
受託加工業のお客様工場の高天井で使用されていた水銀灯をLED照明に切り替えるとともに、増設も併せて行った工事事例をご紹介いたします。そもそも水銀灯は水俣条約により、2020年12月末を以て、製造ならびに輸出入が禁止になったことから2021年1月以降調達が非常に難しくなっております。この情報をキャッチされたこちらのお客様よりご相談をいただいたことが、この施工事例の経緯となります。
修理・メンテナンスの内容
当社からは水銀灯からLED照明へ切り替えることをご提案いたしました。また、水銀灯とLED照明を比べた際、照射範囲がLED照明のほうが狭くなってしまうことから、従来水銀灯を設置していなかった箇所にも照明を増設して照射範囲を補うご提案も併せてさせていただきました。これらのご提案にお客様からもご了承をいただきました上で、工事を実施。これにより、今後照明が切れてしまった際にも同じようなものを安定的に調達できるだけでなく、水銀灯からLED照明に切り替えた際も暗い箇所ができることもありませんので安心して工場内で作業いただくことができます。
5.LED化工事なら当社にお任せ
いかがでしたでしょうか。
今回は工場のLED化の必要性とメリットについて解説いたしました。
工場のLED化はいつかしなければならないものになります。ですが、そもそもLED照明を導入するメリットは多くあります。ぜひこの機会にご検討ください。
宮城工場修理メンテナンス. comを運営している丸繁では、水銀灯・蛍光灯のLED化をはじめとした、工場の環境改善に関する多様な実績がございます。まずは協力会社様と連携して、LED化のシュミレーションを行うこともできます。
施工ご依頼の内容に沿って迅速に対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください!
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