作動流体である油を、外部の動力源によって圧力を持たせることにより、アクチュエータを働かせる機械である油圧機器。空圧機器よりも、高圧に対応することが可能であるため、高負荷が求められる環境に適し、農業機械や鉄道などの様々な業界に使用されています。しかし、使用環境も様々であり、環境ごとに様々なトラブルが発生します。
そこで、今回は油圧機器の修理・メンテナンスに多数の実績を持つ丸繁が、油圧機器のよくあるトラブル要因3つと対策を解説します!
油圧機器のトラブル要因3つ
前述の通り、様々な環境で使用される油圧機器ですが、発生するトラブルは下記の3つの箇所に分けられます。
①ポンプ
②バルブ
③シリンダー
それぞれのトラブルと対策を解説します。
①ポンプ
・吸引不良
ポンプにおいて吸引不良が起こると、空洞現象(キャビテーション)により異音が発生します。
原因としては、吸引側にあるサクション・フィルタ、または配管が、オイルタンクの汚染により、詰まってしまっていることが考えられます。また、吸引配管の大きさが細すぎることや、長すぎることも原因として考えられます。
対策としては、「サクション・フィルタ、吸引側配管の清掃」、「吸引配管の変更」などが挙げられます。
・吐出量不良
ポンプにおいて吐出量不良が起こると、油圧の低下やオイル漏れが発生します。
原因としては、油圧機器に使用されているポンプがトロコイドポンプやギヤポンプであれば、ギヤ、ローター、オイルシール、その他パッキン等が摩滅していることが予想されます。摩滅してしまう要因としては、経年劣化や、流体への異物混入による異常摩滅、油の温度の上昇によるパッキンの硬化が挙げられます。
対策としては、異物混入が原因なのであれば混入してしまう箇所の封鎖、エアブリーザーの変更、オイルタンクの清浄に保つことが有効です。
・モーターの停止
ポンプにおいてモーターが停止してしまう際の原因としては、ロータポンプに異物が挟まってしまっていることによる、モーター焼付きが考えられます。
対策としては、吐出量不良と同様にオイルタンクの清浄に保つことが有効です。
②バルブ
・バルブ用スプールへの異物嚙み込み
バルブ用スプールへの異物嚙み込みは油圧機器の動作不良に繋がります。異物嚙み込みが発生してしまう原因としては、スプールは非常に細かいため、オイルが汚染されてしまうと、異物がスプールに挟まりやすいためです。
対策としては、ポンプと同様にオイルタンクを清浄に保つこと以外にも、密閉状態のオイルタンクや配管の中で、新規のオイルを使用することも有効です。ただ、密閉されているオイルタンクや配管は少なく、給油口やエアブリーザーから空気が入り込んでしまうため、そこからオイルに異物が混入してしまいます。そのため、オイルタンクを清浄に保つことが現実的な対策であると言えます。
③シリンダー
・摺動部のオイル漏れ
シリンダーなどの摺動部からオイル漏れが発生してしまう原因としては、ポンプとバルブと同様に、オイルが汚染してしまうことにより、パッキン等が摩滅してしまうためです。
対策としては、オイルの汚染度や粘度などの管理を徹底することが挙げられます。
油圧機器のことなら丸繁まで!
今回は油圧機器のよくあるトラブル要因と対策について解説しました。
油圧機器を長持ちさせるためには、油圧機器には定期的な点検が不可欠です。
宮城工場修理メンテナンス. comを運営している丸繁では、油圧機器に関する多様な実績がございます。施工ご依頼の内容に沿って迅速に対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください!
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