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油圧ポンプの故障原因と対処法|異音・発熱・圧力が上がらない時のチェックポイント

1 日前
読了時間: 5分

油圧ポンプは、作動油に圧力を与えて設備を動かす油圧システムの心臓部です。ポンプが不調になると、プレス機や成形機などの設備全体が思うように動かなくなります。

とはいえ、「異音がする」「圧力が上がらない」といった症状だけでは、ポンプ自体の故障なのか、周辺機器の問題なのか判断がつきにくいものです。

本記事では、油圧ポンプの種類を押さえたうえで、症状別に考えられる原因と現場で確認できるチェックポイント、修理か交換かの判断までを解説します。


油圧ポンプの種類と特徴

工場の油圧設備で使われるポンプは、主に次の3種類です。種類によって得意な圧力域や故障の傾向が異なります。

種類

特徴

主な用途

故障の傾向

ギアポンプ

構造がシンプルで安価。異物に比較的強い

低〜中圧の一般産業機械、潤滑装置

歯車・側板の摩耗による吐出量の低下

ベーンポンプ

脈動・騒音が小さく、中圧域で安定

工作機械、射出成形機など

ベーン・カムリングの摩耗、汚れによるベーンの固着

ピストンポンプ

高圧・高効率。吐出量を変えられる可変容量形が多い

プレス機、建設機械、高圧が必要な設備

作動油の汚れに敏感。シュー・シリンダーブロックの摩耗

また、1本の軸で2台分のポンプを駆動する「2連ポンプ」もあります。高圧・低圧など2系統の油を1台でまかなえる反面、仕様が特殊になりやすく、交換部品の入手に時間がかかることがあります。



症状別:故障原因とチェックポイント

ここでは代表的な5つの症状について、考えられる原因と、現場で確認できるポイントを整理します。


異音・振動が大きい

考えられる原因:キャビテーション(吸込み不足による気泡の発生と崩壊)、エアの吸い込み、軸受の摩耗、モーターとのカップリングの芯ずれ

  • 吸込みフィルター(ストレーナー)が詰まっていないか

  • タンクの油面が下がっていないか

  • 吸込み配管の継手がゆるみ、エアを吸っていないか

  • 寒い時期の始動直後など、油温が低く粘度が高すぎないか

「ガラガラ」「キーン」といった音の変化は、ポンプが出す初期のサインです。


圧力が上がらない

考えられる原因:ポンプ内部の摩耗によるリーク、リリーフ弁の設定ずれ・不良、回転方向の誤り(モーター交換・配線工事の後など)

  • 圧力計の値を正常時の記録と比べる

  • リリーフ弁側の不良か、ポンプ側の能力低下かを切り分ける

  • 電気工事の後に症状が出た場合は、モーターの回転方向を確認する

ポンプとバルブのどちらが原因かで対処がまったく変わるため、この切り分けが修理の要になります。


発熱・油温が上がりやすい

考えられる原因:内部リークの増加(摩耗)、オイルクーラーの能力低下、過負荷運転

  • ポンプケースの表面温度が以前より高くないか

  • ピストンポンプの場合、ケースドレン(内部から漏れて戻る油)の量が増えていないか

  • クーラーの冷却水やファンが正常に働いているか

ドレン量の増加は内部摩耗の目安になります。


吐出量が減り、動作が遅い

考えられる原因:内部の摩耗、吸込み不良、モーター回転数の低下

  • シリンダーなどの動作時間を正常時と比べる

  • 吸込み側の状態(フィルター・油面)を確認する


軸まわりからの油漏れ

考えられる原因:オイルシールの劣化、ケース内圧の上昇(ドレン配管の詰まりなど)

  • 漏れの位置(軸シール部か、配管継手か)を特定する

  • ドレン配管が詰まったり、つぶれたりしていないか


故障の根本原因は「作動油」と「吸込み側」

症状はさまざまでも、ポンプの寿命を縮める根本原因は共通していることが多くあります。

一つは作動油の汚れ・劣化です。異物はポンプ内部のすき間に入り込み、摩耗を早めます。特に高圧のピストンポンプは影響を受けやすい傾向があります。

もう一つは吸込み側の不具合です。フィルターの詰まりや油面の低下、配管からのエアの吸い込みは、キャビテーションを起こしてポンプを傷めます。


予防のポイントは次のとおりです。

  • フィルターを定期的に点検・交換する

  • 油温を適正な範囲に保つ

  • ポンプ交換後は、メーカーの手順に沿って試運転・エア抜きを行う


修理か交換か?判断のポイント

油圧ポンプの不具合への対応は、主に3つです。

対応

内容

向いているケース

部品交換修理

オイルシール、軸受などの消耗部品を交換

摩耗が軽く、ポンプ本体に大きな損傷がない

ポンプ単体の交換

同じ型式の新品に入れ替え

内部摩耗が進んでいる、修理より早く復旧したい

代替品への置き換え

廃番品などを、互換性のある別の機種に置き換え

同じ型式が入手できない

特殊品や廃番品は、部品が手に入らず修理そのものが難しいこともあります。その場合は、代替品を選び、調達できるかどうかが復旧までの時間を左右します。

ポンプを含むユニット全体の修理・更新の考え方は、油圧ユニットの修理・オーバーホール完全ガイドでも詳しく解説しています。



よくある質問

油圧ポンプを交換したあと、注意することはありますか?

回転方向の確認、エア抜き、試運転が欠かせません。ピストンポンプなどは、始動前にケース内へ作動油を満たす必要がある機種もあります。交換後の立ち上げまで含めて対応できる業者を選ぶと安心です。


廃番になった油圧ポンプでも対応できますか?

同じ型式が入手できない場合でも、取付寸法や吐出量、圧力などの仕様を確認し、代替品をご提案できることがあります。まずは銘板の情報をお知らせください。


修理と交換では、どちらが費用を抑えられますか?

損傷の程度や部品の入手性によって異なります。軽い摩耗ならシール交換などの修理で済む場合もありますが、内部の摩耗が進んでいると交換のほうが結果的に安くなることもあります。現地調査のうえでご提案します。


油圧ポンプの異音・不調は丸繁にご相談ください

「音が変わった」「圧力が上がらない」「原因が分からない」――そんな段階でも、お気軽にご相談ください。丸繁は機械工具商社として部品・機器の調達に強く、メーカーを問わず、現地調査による原因の切り分けから、ポンプの手配・交換までを一貫して対応します。


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