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溶接ヒューム濃度測定の実施者要件の明確化・厳格化

1 日前
読了時間: 7分

金属アーク溶接等の作業を行う工場では、溶接ヒュームの濃度測定が事業者の義務となっています。しかし、これまで「その測定を誰が行うか」については明確な資格要件がなく、社内の担当者が測定していたケースも少なくありませんでした。この状況が、令和8年(2026年)10月1日施行の法改正によって大きく変わります。最大のポイントは、溶接ヒュームなどの個人ばく露測定を「誰が測るか」という実施者要件が明確化・厳格化されたことです。本記事では、法改正の背景と具体的な内容を整理したうえで、測定結果を実際の作業環境改善につなげる「局所排気装置の更新・修理」について、宮城県で工場設備の保全を手がける専門会社の視点から施工事例を交えて解説します。




溶接ヒューム規制のこれまでの流れ

溶接ヒュームは、金属アーク溶接の際に発生する微細な粒子で、マンガンなどの有害物質を含みます。長期間ばく露すると神経障害などの健康被害につながるおそれがあることから、2021年(令和3年)の特定化学物質障害予防規則(特化則)改正で、金属アーク溶接等作業を継続的に行う屋内作業場での溶接ヒューム濃度の測定が義務化されました。

測定結果に応じて有効な呼吸用保護具を選定し、労働者に使用させることが求められる仕組みです。つまり溶接ヒューム対策は、「測定して現状を把握する」ことから始まる一連のリスク管理として位置づけられています。ただし当初、この測定の実施者について厳格な資格要件は設けられていませんでした。ここに、今回の改正でメスが入ることになります。


何が変わる?実施者要件の明確化・厳格化

今回の改正の中心は、個人ばく露測定を作業環境測定(労働安全衛生法第65条)の一部として位置づけ直したことにあります。これに伴い、測定の実施者に専門的な資格が求められるようになりました。具体的なポイントは次の3点です。


① 対象作業場が「指定作業場」に追加

金属アーク溶接等作業を継続的に行う屋内作業場や第三管理区分作業場での個人ばく露測定が「指定作業場」に該当することになります。指定作業場となることで、法令上「作業環境測定士に測定を実施させる義務」が生じる範囲に含まれます。


② 実施者は資格を持つ作業環境測定士に限定

測定のうちデザイン(測定計画の設計)およびサンプリングは、「個人ばく露測定講習(デザイン等講習)」を修了し、作業環境測定士登録証に付記を受けた作業環境測定士が行わなければならないとされました。令和8年7月29日付けの省令改正により、この業務を行うには登録証への付記が必要となります。


③ 「誰が測るか」の実施者要件が厳格化

測定方法そのものに大きな変更はないものの、「誰が測るか」という実施者要件が厳格化された点が実務上の最大の変化です。従来のように資格を持たない担当者が独自に測定を行うことは、原則として認められなくなります。厚生労働省からも基発0730第2号(令和8年7月30日)、基発0821第2号(令和8年8月21日)といった通達が発出され、移行の考え方が示されています。


事業者が今から準備すべきこと

法改正を前に、溶接作業を行う事業者が確認しておくべきことを整理します。まず、自社の作業場が今回の対象(指定作業場)に該当するかを確認します。次に、測定を委託する場合は、依頼先が要件を満たす作業環境測定士に対応しているかを確認します。そして忘れてはならないのが、測定はゴールではなく出発点だという視点です。測定によって濃度基準を超えていることが判明した場合、呼吸用保護具の適切な選定・使用に加えて、根本的な対策として発生源での有害物質の捕捉、すなわち局所排気装置による環境改善が求められます。ここに、設備側の準備という重要な論点が浮かび上がります。


測定結果の裏に潜む「排気能力の低下」

濃度測定で数値が改善しない現場を調査すると、その背景に局所排気装置の能力低下が潜んでいるケースが数多くあります。局所排気装置は「フード(吸込口)→ダクト→空気清浄装置→排風機(ファン)→排気口」という経路で有害物質を屋外へ排出しますが、経年使用によってフィルターの目詰まり、ダクト内部の粉じん堆積、ファンの劣化などが進むと、本来の排気能力を発揮できなくなります。吸い込みが弱く感じる、異音がする、定期自主検査で規定風量を下回った——こうしたサインは、装置が「測定結果を悪化させる要因」になっている可能性を示しています。局所排気装置は労働安全衛生法により1年以内ごとに1回の定期自主検査が義務づけられており、測定と点検・メンテナンスは車の両輪として捉える必要があります。



溶接ヒューム対策 局所排気装置の新設・更新・点検【施工事例】

宮城 工場修理メンテナンスCOMでは、局所排気・換気設備の点検から機能回復、更新・修理までを一社窓口で対応しています。実際の施工事例をご紹介します。


【局所排気】詰まりによる機能低下を解決! フィルター交換、清掃、風量測定で排気能力を回復させた事例



修理・メンテナンスの状況

今回ご相談いただいたお客様は、サイトからご相談いただいた新規のお客様です。現場を調査したところ、設置されている局所排気の設備が、本来期待される機能を十分に果たしていない状況が確認されました。具体的な原因としては、排気経路内に著しい詰まりが生じており、これが排気の効率を大幅に低下させていることが判明いたしました。このままでは作業環境の衛生面に問題が生じるため、機能の回復と改善策についてご相談をいただきました。




局所排気装置点検・分解清掃

修理・メンテナンスの状況

本事例は、局所排気装置の年次点検を実施いたしました。お客様からは、当社に年次点検のご依頼を以前からいただいておりました。


修理・メンテナンスの内容

そこで、当社は現地訪問の上、局所排気装置の点検を実施いたしました。まず初めに、ダクト・ファンの分解清掃を行いました。清掃後、風速測定を行い、基準値になっていることを確認して点検終了です。




大型有圧換気扇 設置工事

修理・メンテナンスの状況

工場内の環境改善と暑熱対策のために大型有圧換気扇の設置と制御盤更新を行った事例を紹介致します。この施工に至った背景として、従来生産している原料が飛散してしまい作業に影響が出ている状況だったことが挙げられます。特に原料の混合を行う装置機器の付近(屋根付近)は環境の悪さが顕著であったため、換気扇を設置し工場内の空気を屋外に排出することを検討されるに至りました。また換気扇の設置を行うことで、空気の排出を狙うと同時に暑熱対策を行いました。




よくある質問(FAQ)

Q. 溶接ヒュームの濃度測定は誰が実施できますか?

2026年10月1日以降、金属アーク溶接等作業を継続的に行う屋内作業場などでの個人ばく露測定は、個人ばく露測定講習を修了し登録証に付記を受けた作業環境測定士が実施する必要があります。



Q. 測定して基準を超えていたらどうすればよいですか?

有効な呼吸用保護具の選定・使用に加え、局所排気装置の能力回復・更新など、発生源での根本的な排気対策の検討が重要です。



Q. 局所排気装置の点検はどのくらいの頻度で必要ですか?

労働安全衛生法により、原則として1年以内ごとに1回の定期自主検査が義務づけられています。



まとめ|測定の適正化と設備対策はセットで

2026年10月の法改正により、溶接ヒュームの個人ばく露測定は「有資格の作業環境測定士が行う」ことが明確化・厳格化されます。しかし、測定はあくまで作業環境を守るためのスタートラインです。数値の改善には、局所排気装置が本来の性能を発揮していることが不可欠です。宮城県で局所排気装置の風量測定・点検・更新・修理をご検討の際は、測定後の設備対策までワンストップで対応する宮城 工場修理・メンテナンス.com(丸繁株式会社)へお気軽にご相談ください。



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